※2024年3月現在、厨房設備改修のため素泊まりプランの営業になっています。
山梨県の下部温泉へは何度も訪れていて、複数の宿に泊まったことがあります。
今回紹介する湯元ホテルは、初めて下部温泉に泊まった時にお世話になった宿。
大きなお風呂にはぬる湯の自家源泉が湧いています。気に入って、これまで何度も泊まってきました。お勧めするあまり、友人を連れて泊まったこともあります。
(2006年9月,2007年5月,2007年10月,2008年2月,2008年12月,2015年2月,2022年7月,2024年2月宿泊)
建物とお部屋
湯元ホテルは下部温泉の温泉街の中心にあります。
温泉街自体は、最寄り駅のJR下部温泉駅から少し離れているので、電車で向かう場合は、駅から歩くか、宿のお迎えをお願いすることになります。
(2024年2月現在、宿の送迎サービスはありません。)
湯元ホテルの建物は、温泉街の通りから下部川を挟んだ反対側。川にかかるカラフルな橋を渡り、チェックインの手続きをします。
戦前に創業したという歴史のある宿で、建物はかなり古びています。建物は3階建てで、本館と別館があります。
お部屋
エレベーターはなく、階段を登ってお部屋へ。多くのお部屋は下部川に面していて、常に川のせせらぎが聞こえてきます。
部屋にはトイレ、洗面所、古びた冷蔵庫があります。金庫は使用できない模様。
チェックインの時点でお布団が用意されていました。以前はなかったWi-Fiもあります。
部屋のトイレはウォシュレットではありませんでしたが、各階にある共同のトイレはウォシュレットになっていて、時々利用しました。
温泉とお風呂
お風呂は2か所、1階と地下にそれぞれ内風呂が1つずつあります。
片方が男湯、もう片方が女湯で、朝に入れ替えがあるので両方に入ることができます。
日によっては、2回入れ替えをする時もあるようです。
地下大浴場(男湯→女湯)
フロント脇の階段を下りて行った先にある、大きなお風呂。
脱衣所からお風呂への入り口は二つあって、左側の入り口から入ると30度そこそこの源泉のお風呂があり、右側から入ると、源泉を加温したお風呂があります。
両方のお風呂の間には壁があって、トンネルのような小さな穴をくぐって行き来します。以下の画像は源泉のほうです。
プールにも見えますし、実際の温度もそのくらい。泳ぎたくなるのをぐっと我慢して、静かにつかりましょう。
公式サイトより。 http://shimobeonsen.com/index.php/gensenkakenagashi/
源泉のぬるいお風呂と熱いお風呂とを交互に入るのが、体に良いとされる下部温泉の入り方。それに従って、両方のお風呂を行ったり来たりすることになります。
ただ、寒い季節は、熱いお風呂の後にぬるいお風呂に入るのはちょっと勇気がいります。
源泉のお風呂はとても効能がありそうなお湯(お水)で、長く入っていると体中にびっしり気泡が付きます、お風呂から上がると不思議と体が暖まっています。
長時間入っていると、切り傷が一晩でかなりきれいになっていて驚いたことも。
なお、源泉風呂のお隣にもう一つ小さなお風呂があって、一時期はそこでも熱い温泉に入れたのですが、現在は使われていないようです。
岩風呂(女湯→男湯)
もう片方のお風呂は1階にあります。
下部温泉の宿によくあるように、源泉そのままのお風呂と加温したお湯が入っているお風呂とが隣り合っています。
左が加温されたお風呂で、右が源泉。源泉の奥、岩の中から温泉が直接湧き出ています。
公式サイトより。 http://shimobeonsen.com/index.php/gensenkakenagashi/
こちらの岩風呂は地下の大浴場とは異なる源泉を使っているようです。源泉の温度は地下大浴場よりさらに低いので、もはや水風呂のよう。
寒い季節に入るのは少し大変ではあります。男性の場合はこちらが朝風呂になるので、気温の低い朝の時間帯ということで、なおさら。
それでも、じっと入っていると、源泉の効能も感じることができます。
食事(素泊まりのみ)
2024年現在は、素泊まりプランのみとなっているため、食事の提供はありません。
館内の売店も閉鎖されており、宿の周囲にもお店がないため、食事は少し離れた下部温泉駅の周辺にある飲食店でいただくか、途中で買ってくることになります。
なお、電気ポットはお部屋に、電子レンジは2階に用意されています。
飲み物の自動販売機は各階にあります。
2階と3階の自動販売機はアルコールのみで、ソフトドリンクは1階の自動販売機に用意されています。
食事(2022年当時)
ご参考までに、過去の食事の記録は残しておきます。
お食事会場は夕食・朝食ともに、1階の食堂か、上の方の階にある大宴会場でした。どちらもテーブル席になっています。
夕食
まずは夕食から。
お刺身にはゆば刺し、奥にはお豆腐。下部温泉のある身延町は、あけぼの大豆という大豆が名産品なので、それを使っているのでしょうか。
お魚はヤマメの一夜干し。ヤマメもまた下部の名産です。鍋は、甲州名物のほうとう。ほうとうが出てくるのは以前から変わりません。
ドリンクメニューが充実していました。
ワインは甲州市勝沼の「ルバイヤートワイン」、冷酒は富士川町の「春鶯囀(しゅんのうてん)」。その他、地ビールの用意もあるようでした。
食事の終わりに、ご飯とお味噌汁、あとはデザートも出てきました。
ご飯にふりかけがついているのは、以前から変わらず。お味噌も地元のお味噌を使っているのかも知れません。
デザートの後、山梨県では有名だという「武田牛乳アイス」を注文してみました。素朴な感じの味でした。
長く食事を楽しんでいたら、いつの間に他のお客さんはもういなくなっていました・・・
朝食
朝も同じ場所でした。
スタッフさんがこまめに動いて、ご飯のおかわり等気にしてくださいました。
朝食の後でお部屋に戻ると、布団が片付けられてしまっているのですが、チェックアウトの時間まではお風呂へはまだ入れます。
もう少し、お風呂に入ると良いと思います。
個人的感想
複数の下部温泉の宿に泊まってきましたが、自家源泉を複数持っていることもあり、泉質という意味ではやはりここが一番ではないかと思います。
古くから続く、ぬるい源泉を持っているのは、ここ湯元ホテルともう1件しかないそうです。(以前はもう1件ありましたが、休業中のようです)
温泉の効能に詳しい方ではないのですが、温泉の効能を一番実感できる気がします。
設備が古びていて、どちらかと言えば男性向けかも知れません。ただ、温泉の質を重視する方だったら満足すると思います。
寒い季節は宿泊料が少し安くなることもあります。温泉が冷たいので、冬はお客さんが少なくなるのかも知れません。
追記:2024年2月現在(素泊まりで営業中)
2023年の途中から、厨房設備の改修のためということで食事の提供がなくなり、素泊まりでのみ泊まれるように変わりました。
同時に、サービスがかなりシンプルになっています。
チェックイン・チェックアウトの手続きもなく、滞在中は宿のスタッフさんを見かけることがほとんどありません。
下部温泉駅から宿までは徒歩20分ほどですが、多くの下部の宿でやっている、駅までの送迎サービスもなくなっています。
少し戸惑うこともあるかもしれませんが、予約後に宿から案内メールが送られてくるので、そちらをよく確認されると良いと思います。
それでも、武田信玄も入ったという下部のぬる湯は、今も湯元ホテルで静かに湧き続けています。
アクセス
鉄道
JR身延線「下部温泉」駅から徒歩20分。下部温泉駅には、甲府と静岡を結ぶ特急「ふじかわ」も停車します。
2024年2月現在、下部温泉駅からの送迎は行っていません。
車
中部横断自動車道「下部温泉早川」インターより約10分。
インターから温泉街まではお店があまりないので、お買い物は手前の「道の駅なんぶ」等で済ませておくと便利です。
関連リンク
近くの宿の宿泊記録
この宿が出てくる旅行記
公式サイト
さて、今度はどこへ行こうかな。