群馬県の四万温泉(しまおんせん)は、この静かな温泉旅のブログで取り上げる温泉地の中では有名な方だと思います。
有名な温泉地の多くは、廃業した旅館やお店が目立ったりするもの。
ですが、ここ四万温泉は観光客もほどほど来ていて、お店も旅館もたいていが営業していて、賑わっているなと感じます。
そして、四万温泉と同じ群馬県は中之条町にある、沢渡温泉(さわたりおんせん)。
こちらはより静かなたたずまい。肌に優しいとされる熱めのお湯で、こちらも温泉好きによく知られている温泉です。
今回は、この2つの温泉地についてまとめてみます。
四万温泉・沢渡温泉の概要
四万温泉と沢渡温泉は、ともに群馬県の北部、中之条町にひっそりたたずむ温泉地です。
四万温泉
群馬県内の他の有名温泉、草津温泉・伊香保温泉・水上温泉と並んで「四大温泉」などと呼ばれますが、四万温泉はその中でも静かなところです。
四万川に沿って温泉宿が点在しており、一番奥にはダム湖「奥四万湖」があります。
四万温泉のお湯は無色透明で「ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉」もしくは「アルカリ性単純温泉」に属するようです。
温泉地のエリアが広く、環境省HPによれば源泉は41種類あるようです。
源泉の温度も源泉によって、30度以下から80度以上と様々のようですが、実際のお風呂では人が入れるくらいの温度に調整されています。
それでも、熱めのところが多いですね。
飲んでみると塩の味がする場合と、そうでもない場合があります。
そう、四万温泉は飲泉できる温泉で、飲むと胃腸病にいいとのこと。
他にも「四万の病に効く」ということで四万温泉、という名前らしいので、体にいい温泉なのでしょうね。
あちこちに飲泉所があるので、ゴクリと飲んでみてください。
沢渡温泉
四万温泉は30件ほどの宿がありますが、こちら沢渡温泉は、坂の途中にある共同浴場に沿って10件ほどの宿があります。
沢渡温泉の方がより静かでこじんまりしています。
無色透明のお湯は少し熱めで、古くから「一浴玉の肌」と、入ると肌がすべすべになるお湯だと言われてきました。
草津温泉の酸性のお湯に入った後、沢渡温泉で肌を整えるというのが、昔の湯治の定番コースだったようです。
四万温泉・沢渡温泉へのアクセス
四万温泉・沢渡温泉への交通手段は、JR+路線バスか、高速バスの2種類です。
JR+路線バスで向かう
四万温泉・沢渡温泉の最寄駅はJR吾妻線(あがつません)の中之条(なかのじょう)駅です。
中之条駅までは、都内から特急「草津・四万」号で2時間程度の旅になります。
ここ中之条駅から、四万温泉・沢渡温泉への関越交通バスが出ています。
まず、四万温泉行きのバスについてはこちらをご覧ください。
年末に四万温泉を訪れた時は、中之条駅からの四万温泉行きのバスはラッシュアワーのようにぎゅうぎゅう詰めになりました。
多客期はかなり混むのかもしれませんね。
一方で、沢渡温泉行きのバスは、 以前は9人乗りのジャンボタクシーだったのですが、今は小さいながらもバスで運行しています。
利用者が増えているのかもしれませんね。
高速バスで向かう(四万)
また、東京駅から四万温泉に直行する高速バス「四万温泉号」も出ています。
四万温泉観光協会のウェブサイト往復の高速バスと宿泊とのセットプランもあり、お得です。
この高速バスの本数なのですが、
- 12月から翌年のゴールデンウィークまで:2往復
- それ以外:1往復
となっています。
毎日走る1往復の方は、朝に東京を出てお昼に四万に着きます。
なので往復に高速バスを利用すると、到着からチェックインまでの時間が結構空きますので、まあゆっくりと、温泉街でお昼でも食べましょう。
帰りのバスも、お昼過ぎの出発なので、同じくまあ、お昼でも。
ただ、先述の「高速バスと宿泊のセットプラン」を四万温泉協会経由で申し込めば、早いチェックインと遅いチェックアウトが可能な場合もあるようです。
なお、四万温泉号は途中で「沢渡温泉入口」というバス停に停車します。
「沢渡温泉入口」バス停から沢渡温泉は4キロほど離れているのですが、一部の宿が、事前予約すれば「沢渡温泉入口」バス停まで送迎してくださるようです。
四万温泉・沢渡温泉の温泉街
四万温泉の温泉街
四万温泉は南北に細長い温泉街になっているのですが、商店も飲食店もあちこち点在しています。
コンビニはありませんが、お店は多いです。
特に、温泉街の中心部(四万温泉バスターミナル付近)は、昭和っぽい商店街がありまして、いい雰囲気。
飲食店は、蕎麦屋等、昼食をいただけるお店が多いのですが、夕食をいただけるお店はさほど多くありません。
宿泊の際、朝食のみのプランにしていると、温泉街で夕食を取るのがちょっと難しい可能性があるので、ご注意を。
お店はいくつもあるのですが、行ったことのあるお店をいくつか紹介しておきます。
森のカフェ KISEKI(カフェ)
温泉街の手前、四万甌穴の近くにあるおしゃれなオープンカフェです。
そもそも四万は女性の多い温泉地だと思うのですが、そのせいかカフェが多い気がします。
小松屋(そば)
温泉街の中心にある蕎麦屋さんです。慶応年間創業とのこと。
地粉を使った手打ちそば、というのが何だか嬉しくなりますね。
ホームページ上に割引券があります。ちなみにお隣さんも蕎麦屋です。
喫茶あずまや(喫茶店)
日向見薬師堂(国宝)のすぐ近くにある喫茶店です。
上州名物おっきりこみうどん等、お食事もいただけるようです。優しそうなご夫婦が切り盛りされています。
ここで一服してから宿にチェックインしたのですが、お部屋にお店の割引券がありました。チェックイン後に行けばよかったなと。。。
沢渡温泉の温泉街
沢渡温泉の温泉街には商店が数件、飲食店が2件あります。
営業していないお店も結構あるのですが、それも含めて、古い雰囲気が昔のまま残っている気がします。
沢渡温泉バス停のすぐわきの商店「米家」と、沢渡神社の手前にあるお土産屋「大和屋」は、2019年に訪問した時は営業していました。
飲食店は、よしのや(そば)と上州軒(中華)の2件。
よしのやは喫茶の営業もしていて、コーヒーやケーキをいただくこともできます。
上州軒は、共同浴場からさらに坂を下った途中にあります。
四万温泉・沢渡温泉で泊まった宿
これまでに四万温泉で3か所、沢渡温泉で2か所泊まったことがあります。
いずれも安く泊まれる宿です。
四万温泉「つばたや旅館」(山口)
温泉街の中心部の手前側にある宿です。
四万川を目の前にして入れる露天風呂がワイルドでいい雰囲気です。
四万温泉「はつしろ旅館」(新湯)
温泉街の中心にあるちいさな宿です。
温泉街で食事する場合は、お店が近くにいろいろあって便利。
四万温泉「中生館」(日向見)
四万温泉の最も奥にある宿。
バス停から20分ほど、四万川沿いの道を歩いていきます。ここまで来るととても静かです。
沢渡温泉「宮田屋旅館」
沢渡温泉街の中心にある綺麗な宿。
南向きで日当たりがとてもいいです。露天風呂や貸切風呂もあります。
沢渡温泉「三喜屋旅館」
こちらも温泉街の中心部にある宿です。
小さな宿で、食事がお部屋でいただくことができました。
僕が四万温泉・沢渡温泉に行く理由
四万温泉に行った回数は5回。うち1回は友人と行っています。
ひとりで行くのも良いのですが、大きな温泉街によくある寂しさもないですし、家族や友人と行くのもいいかな、と思っています。
お湯も透明で優しいですし。
沢渡温泉は2度行っています。
初訪問のときは、そのあまりの静けさに少し寂しさを覚えたのですが、十数年後に再訪して、その静けさが逆に気に入ったのでした。
関連旅行記
さて、今度はどこへ行こうかな。